作家・籘真千歳のブログ

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うれしいことが、ありました……。
遠い人を思う


とても懐かしい方から、お電話を頂きました。

何年も前から仲良くしていた友人だったのですが、デビューが決まる前、私の至らなさから喧嘩別れのような形で互いに連絡を絶ってしまっていました。

それからずっと、携帯電話のアドレス帳やメール欄にその人の名前を見るたびに、ちくり、ちくりと胸を針で刺すような痛みがあって、何度となく名前をアドレス帳から消そうかと迷いました。
もうきっとお話しすることもない、できない、あわせる顔がない……私がいつまでもメールやアドレスを残していることを、むしろ向こうが心配したりしていたら……
そう思って消去しようとするのですが、いつも直前で指が止まってしまいます。
たくさんの思い出がよみがえってきて、名前を消してしまったらその思い出も全部ウソになってしまいそうで、全部間違いだったことになってしまいそうで……恐くてできなかったのです。

きっと、私はずっとこの重さのような、痛みのようなものを背負っていくのだろう、誰かと気まずいまま別れてしまうということはそういうことなんだと思いました。

ですからその人から今日、突然のお電話を頂いて、とても嬉しかった。
出版おめでとう、あなたならきっとデビューできると思っていた――。
その言葉に私は心を揺すられて、涙が出そうでした。


人と人の繋がりはとても不思議なものなんだと、あらためて思いました。
投げ捨ててしまうことはいつでもできるけれど、その痛みは自分の、相手の心にも、いつまでも残ります。

私たちは「出会い」を大抵選べない、そんな世界に生きているけれど、一度「出会って」しまったら、もうなかったことにできません。
ひとつひとつの出会いが自分自身の切り離せない一部で、きっと私たちはみんなそういうものの「かたまり」なんだろうと、そう思います。


物語を書いていると、人間やこの世界が、どうしてこんなに歪なんだろうと悲しくなるときもあるけれど、でも、やっぱりそんな歪さが、綺麗じゃないでこぼこの「かたまり」だから、こんなにも愛おしくて、書くことをやめられないんだろう。
そして、こんな素敵な奇跡から始まったこの一年は、きっとまた何度も泣きたくなるぐらい幸せな一年になる予感がする。

そんな風に思えた夜でした。
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『向日葵の墓』 デビュー前のショートショート(1/3)
向日葵の墓


話題の提供も、θ以降なかったもので、昔書いたものを掘り出してきました。

アミューズメントメディア総合学院のネット上の小説講座に応募したときのもので、このときは社会人として仕事をしながらひたすらいろいろな小説賞に応募していました。今読み直すと思い出がよみがえりまして、このときは自分の才能を探し求めて四苦八苦していたなぁと懐かしい気持ちになります。結局、私に派手な才能なんてものはないんだという結論に至り、自分なりの地道な努力で這い上がるしかないと腹が決まった頃でもあります。

『向日葵の墓』 
(ショートショート2000字小説)
(アミューズメントメディア総合学院ホームページ内)

この『向日葵の墓』は、2000字(原稿用紙5枚分)という制限の中で、どれだけの奥行きを読者に届けられるか、ということに初めて挑戦した作品でした。読む方には、書く側の枚数制限が大長編だろうと原稿用紙一枚だろうと関係ないので、長編と同じことをできなくとも読んでよかったと思える何かをお届けしなくてはと、とても悩んだのを覚えています。
周囲には苦い顔をよくされましたが、このころから短編にすでに憧れがありました。このネット講座で顔も知らない優秀な書き手の方々と競ってショートショートを書いた経験は、のちの『θ 11番ホームの妖精』の執筆にも大変役に立ちました。

何分デビュー前であり、未熟な作品でありますが、「千歳ってこんなの書いてたんだw」と一笑にふしていただければ幸い……ですw


ちなに――
このお話で私がルビを多用して、ホームページに載せる作業をされた学院の先生方を困らせてしまったためか、次の講座からフリガナが使用禁止になりましたw HTMLでフリガナは大変です……先生方、ごめんなさいw

新年のご挨拶
2009NewYear



あけましておめでとうございます。

昨年はたくさんの方のお世話になりました。たくさんの出会いにも恵まれました。
なにより念願の出版ができましたこと、そして読者の方からのご声援、激励のお声もたくさん頂きましたこと、今思えばなんと幸せな一年だったのだろうと思います。

物語を紡ぐことの、夢と現実の間で引き裂かれそうになった一年でもありました。
売れなければ出せない、出さなければ売れない、そんな袋小路に迷い込んだ一年でもありました。
なかなか次の本を出せずにいまして、お待ちの方を焦れったい気持ちにさせているのだ思うと、申し訳なくて引きこもりたくなったときもありました。

つらいことを思い出せばキリがないのですけれども、速く流れる雲を見て雨の予兆と見るか、その向こうの日差しに思いを馳せるかは、きっと自分次第。そして幸せな物語をお届けしたいと思っている自分がどちらを選ぶべきかは考えるまでもなく――。

生まれたばかりの2009年を、みなさんとともに幸多きことを祈りまして、笑顔で迎えます。

今年も、どうぞよろしくお願いいたします。


             (少し遅れましたが)二〇〇九年 元旦 籘真千歳
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